ビジネス書から学ぶ治療への姿勢

あまり沢山の読書をする方ではないのですが、たまには本を読みます。

ちょっと前に読んだ本で、中身はビジネス書なんですが、「治療」という意味で全く共通する考え方が紹介されていました。多分、参考になる方もいらっしゃると思うので紹介します。
(ちょっと引用が多くなってしまいますが…)

「心の時代」にモノを売る方法    変わりゆく消費者の欲求とビジネスの未来 (角川oneテーマ21)
小阪 裕司
角川書店(角川グループパブリッシング)
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世の中はどんどん変化している

今現在、世の中がどんどん変わっていくことを感じている方は少なくないと思います。若者は車を買いたいと思わなくなっているとか、海外には出たいと思わないとか、現状が豊かになってきている象徴のような考え方が生まれてきています。

ということは、ビジネスとしても売り方を変えていかないと物が売れないということになります。が、その世の中の変化は感じているんだとは思うのですが、どう売ったらいいのかが見えていない人が多いのだそうです。

そこには理由があって、その理由が…、現代の治療の問題点と共通するものを見ることができます。

新しい社会が見えない理由

理由は3つ紹介されているのですが、そのうちに一つに、「複雑すぎて見えない」というものがあります。以下、引用です。

「現実」が見えなくなる二つ目の原因の話に移ろう。
その典型的な原因に、「複雑性のシステムゆえの認知の限界」というものがある。
世の中に起こる「現象」とは、その背景がそもそも見えにくい特性を持っている。これは、私の専門分野のひとつである社会をシステムとして扱う理論・技法の研究によく出てくる概念だが、目の前で起きている現象はまさに氷山の一角であり、その背景にはその現象が起きる諸要素と要素間の因果関係がある。 (p.75,76)

ここだけ読むとちょっと難しい感じですが、要は「目の前で起きていることって、その背景にはいろんな原因があって、それはとっても分かりにくいんだよね」ということです。例も挙げられているので、引用しましょう。

「今日は売り上げが悪い。お客様が来ないからだ」というのは直接的な因果だが、お客さんが来ないのはなぜかと因果を突き詰めていくと、見えない因果がいくつも隠れていることに気づく。
それは、近年ずっと新規客が増えず、リピーターの数そのものが減っていることが原因かもしれない。その背景には、既存客の客離れが激しくなったこともあるかもしれない。それを引き起こしたのは、最近大きく変えた品揃えが不評なことや、ファンを多く持っていた社員が辞めてしまったことも一員かもしれない。… 中略
目の前の現象は小さくても、その下に隠れた氷山は巨大だ。(p.77)

今日の売上が悪い→お客が少ない

こんな単純な発想をする経営者はほとんどいないとは思いますが、その理由を把握しきている経営者も多くはないのだと思います。

医療の世界に当てはめてみる

と、ここで痛みの治療にこれを当てはめてみると全く同じことが起きているということに気づく方が多いのではないでしょうか…。

例えば、「膝が痛い」というお客様(患者)が来たとします。その時の治療ってどんなことが行われているでしょうか。

「痛いところに電気を当てて…、マッサージをして…、湿布(鎮痛剤)を処方」なんていうのが、標準的ではないでしょうか。

実は、「膝が痛い」背景にもいろいろな因果があるはず。重心が狂っているとか、股関節の動きが悪いとか、歩くときの腕の振りがおかしいとか。そして、その原因にもまた背景があるわけですね。まさに、「目の前の現象は小さくても、その下に隠れた氷山は巨大だ。」なはずなのです。

「膝が痛い」方へ、その理由として

  • 体重が重い
  • 年齢的に仕方がない

などと言われることがよくあるようですが、ちょっとみてみると痛いのは片側だったり、あまりにも直線的すぎる理由があげられることがありますよね。

「複雑性のシステムゆえの認知の限界」というものがあるので、どこまでも原因を深堀りすることはできませんが、もう少し深く掘っていってもいいでしょうね。

もう、一段、二段と深堀りをしなければいけないと、ビジネス書から学びを頂きました。

この記事を書いている人

走尾 潤Body Tuning Labo K7"代表 / Body Tuner
もともとは、富士通系のコンピュータメーカーでハード設計を11年くらいした。
ある時、運動選手のケアがしたくなり、脱サラ、接骨院開業。本格的にケア事業をするために、現在の自費治療院を開設。
今では、世界に挑戦するジュニアテニス選手やプロ選手。3時間を切る、比較的早い市民マラソンランナー、ダンサーや俳優などのケアサポートを行う。