治療技術の進化にはクリエイティビティが必要

ひとの身体をメンテナンスする歴が20年弱にもなってしまいました。その昔、コンピュータの設計をしていた倍近い時間が経ってしまいました。

このボディメンテナンス屋さんになってからは、年数に関係なく毎年少しずつ進化をしています。時には比較的大きな進化もあります。最初の頃(学生の頃)にキネシオテープの講座に通い学びました。このキネシオテープの知識が僕の施術のベースになっています。

年々進化していく自分の施術について振り返ってみると、最初の一番大きかった進化は、「局所でなくて全身をみなくてはいけない」ということに開眼したことでしょう。

当時、高校生のバレー部を見ていて、もっとうまくするにはどうしたらいいのかを考えながら見ていた時に気づいたというか思いつきました。局所(痛いところ)だけの治療はその場限り的だなと。

次の大きな進化は、全身は左右の片側単位で動き具合が違うのに気づいたこと。当時理由はわからなかったですが、人は右系の動きと左系の動きがあって、右が壊れる人は上半身も下半身もみんな右みたいなことに気づきました。

あとで、医療とは殆ど関係ない人がこの現象について本に書いていて、なるほどと思いました。これ、性格と相関しているそうです。つまりは、脳の働きに影響されているということ。

また、この気付きがまだ痛みのでてない選手たちにもボディメンテナンスが必須だと思うようになったきっかけになりました。

次の大きな進化は、「とにかく筋力を強くするだけではなくて、入り過ぎ(過緊張)も変えなきゃいけない」ということ。キネシオテープを貼る時の検査は、強いか弱いしか習っていなくて、全て「強い」を目指していました。でも、場合によっては、力を抜いてあげなければいけないケースもあるということ。

次。実は、広い範囲にテーピングをしなくても、ピンポイントの刺激で身体を変えられることがわかってきたこと。それでキネシオテープからマグレイン(金属粒)を中心に使うようになってきました。アスリートにも、テープをベタベタ貼るよりも小さい金属粒を貼っていく方が喜ばれました。この変化で、自分の施術の方法が「神経系」に刺激を入れているものだとわかってきました。

そして昨年末。「筋膜」を狙う施術の理解が深まりました。6,7年前に買った治療の器械のフォローアップセミナーに行ってヒントをもらってきました。それまで、ほとんどのケースで神経系の刺激だけで対処できていたので、「筋膜」を意識したことが殆どなかったです。でも、今回の発想は、ものすごく治療効果を上げるものになりました。

いずれにしても、それぞれの進化は、それまでに培った技能・知識の上に積み上がるようにして出来上がっています。全然関係ないことじゃなくて、関連性を持っています。

振り返ると、セミナーで習ってきたり、本を読んだりだけではこういった進化は起きてこないと思います。日頃の施術という繰返しの中で、ホンのちょっとの微妙な違いを見逃さないことでしょう。そして、それをなんとかしようとする工夫の上に生まれます。あとは、身体の中でどんなものがどんなふうに動いているのかをイメージする力も大切で、これは僕の強みの一つのような気がしています。

と、一番最近の進化が自分にとっては大きなものだったので、年初ということもあって振り返ってみました。ホンのちょっとのことを見逃さずに、どう対処していくのか。そういうクリエイティビティは、この世界でも必要なんじゃないかということです。

この記事を書いている人

走尾 潤Body Tuning Labo K7"代表 / Body Tuner
もともとは、富士通系のコンピュータメーカーでハード設計を11年くらいした。
ある時、運動選手のケアがしたくなり、脱サラ、接骨院開業。本格的にケア事業をするために、現在の自費治療院を開設。
今では、世界に挑戦するジュニアテニス選手やプロ選手。3時間を切る、比較的早い市民マラソンランナー、ダンサーや俳優などのケアサポートを行う。