シンスプリントや腸脛靭帯炎など下肢系のトラブルは動きをみれば早期回復に!

下肢(脚)のスポーツ障害としてメジャーなシンスプリントや腸脛靭帯炎。その理由としてはいろいろなことがいわれています。

治し方もいろいろで、「シンスプリントの治し方」とか「腸脛靭帯炎の治し方」でネット検索をかけると沢山の記事が見つかります。それだけ「これだ!」っていう対処方法がないということでもあると思います。

実際の検索結果は、アイシングや安静が比較的多いですね。積極的な改善策はあまりないということでしょうか。

ケーセブンでは結果よりも原因をみる

ケーセブンでは、トラブルを改善していくにあたり「どうしてその現象が起こったのか?」という原因の追及が重要だと考えます。

一般的には、お客様の訴えから診断名とか病名とか決まり、その症状に対して何らかの処置が行われていきます。つまり、原因ではなく結果に対して処置がされているということ。

でも、そこでちょっと立ち止まり「どうして起きたのだろう?」と原因に視点や思考を向けていくとより多くのことがわかります。その視点の一つが「動き」です。

実際の動きを慎重に観察すると「あぁ~これが原因だ~!」というものが見えてくることがほとんどです。多くの人はじっくりと見たことがないと思いますが、見れば起きていることに関してたくさんのことが理解できます。

トラブルの原因(メカニズム)が理解出来れば、より効果的・効率的な施術が可能になり選手の現場復帰も早まります。当然、原因を取り除くため再発リスクの軽減し、運動のパフォーマンスも向上します。

動きを見てみよう

ということで、動きを見てみましょう。

腸脛靭帯炎を持っている方の膝の動きです。足踏みをしていただいて、その動きを映像化しました。障害側は左です。かなり極端な例なのでプロでなくてもなんか変だとわかると思います。

Strange Motions – knee slides to outward

映像からわかることは、障害を持っている側の脚は荷重時(足を地面についたとき)に膝が外側にスライドをする動きを見せます。以下の記事も参照いただけるとよりわかりやすいと思います。

膝の動きを誰にでもわかるように画像化してみました
施術の際に「動き」を見ていくというのは技術的になかなか難しく、特に素人である一般の方に起きていることを伝えるのはものすごく難しいものです。定規を当てて何センチみたいなのは簡単ですが、動きというのはあっという間に状態が変わってしまうからで...

この膝の外側へのスライドのため、荷重時にだけいわゆるO脚状態ができます。静止状態では絶対にわかりません。動いたときに初めてわかる現象です。

では、ケーセブンで考える腸脛靭帯炎の起こるメカニズムと対処法、その辺をお話したいと思います。

腸脛靭帯炎

腸脛靭帯の仕組み

腸脛靭帯は、大雑把に言うと下図のように骨盤の外側から膝の下側(すねの骨)についてます。腸脛靭帯炎というのは、この腸脛靭帯が膝の外側で骨と擦れて起こると言われています。

膝は真っ直ぐではない

この図で注意していただきたいのは、膝はモモの骨とスネの骨でできている関節で、実はまっすぐではなくて少しだけ外側に曲がっています。単純に考えて、普通に立ったときに足の幅よりも付け根の幅の方が広いためにこうなります。本来、この外側に曲がっているのが正常であり、だとすれば腸脛靭帯が膝の外側で骨と強く擦れるはずはありません

動きにみる腸脛靭帯炎のメカニズム

ここで、先に載せたYouTube映像を思い出してください。腸脛靭帯炎でお悩みの方の多くは、歩行・走行時の荷重の瞬間に膝が外側にスライドし、その瞬間だけ微妙にO脚方向に形が変わります。

こう考えれば、腸脛靭帯が膝の外側で骨と擦れることは当たり前で、この動きこそが腸脛靭帯炎の原因だと考えています。

このメカニズムは、評価として動きを見る施術者にしか見えません。触診や可動域、レントゲンなどの評価方法ではこのメカニズムには絶対に気が付くことができないです。

なぜこうなるのか。

この現象には、いろいろな原因が考えられます。

1つ目の理由として、腸脛靭帯が膝下を外に引っ張りだす力うまく働かなくなるということ。 腸脛靭帯は一部が筋肉でできていて、この働きが低下することが理由です。

2つ目の理由として、股関節の安定性が不足すること。股関節は、大腿部(ふともも)の捻じれをコントロールします。この機能が低下したとき、荷重時には脚は内側に捻れていきます(外側に捻じる力が出にくくなる)

この捻じれを抑えるのは股関節(お尻の奥)にある筋肉ですが、これがしっかり機能しないと荷重時に脚は内側に捻れ過ぎ、骨盤が外側にずれます。すると、その下にある膝も必然的に外側に流れることになります。

3つ目の理由として、足首の安定性の欠如です。やはり荷重時に内くるぶし(内側アーチ)が内側に落ち込むような動きをする人がいます。この場合、内側アーチが落ちることで下腿が内側に捻じれ、すると相対的に膝は外側ずれるように見える場合があります。

このように膝が外側にずれてしまう原因はたくさんあります。これらが原因が単独で起こることもあるし、複合的に起きていることもあります。そこで、一つひとつを確認し修正していく必要があります。

大切なこと

大切なのは、このように何らかの原因により結果である腸脛靭帯炎をはじめとする障害が発生するということです。治療として「ただ休む」と言うことを選択した場合、症状は改善するかもしれませんが、原因は取り除かれていないので現場復帰(社会復帰)をした時点での再発リスクが高いです。実際に再発を繰り返す人はこのパターンです。

ケーセブンでは結果として起きてしまった症状を修正するより、原因の除去を考えて施術を組み立てています。

※シンスプリントについては、別記事で書いていこうと思います。基本的には同じ原理で脛骨(膝下の骨)にたわみが生じることによって起こると考えています。そのため、施術はほぼ同じようなものになります。

この記事を書いた人

Body Tuning Labo K7”代表。
人の身体、特に上昇志向の強いアスリートの動き具合を調整していくのが一番得意。
ほぼ100%の人が「自分の身体はちゃんと動いている」と思っているので、もっといい世界があることをお知らせしたい。
元コンピューターハードウェア設計エンジニア。たぶん、異色の転職組で人の身体を見ていくフローも違う。そのため、違う結果が得られるはず。
そういった世界を経験してきているので、根性と気合ですべてをこなそうとするのは苦手。

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