毎日のように、お客様の身体パフォーマンスを上げるために仕事をしています。
身体をよくするということを考えたときに一番大切なことは、まず身体の状態をしっかりと把握すること。少しでも多くの情報があったほうがより精度の高い施術が可能になります。
そこで、すこしでも効果的な情報を得るための取り組みを常時していて、精度向上をはかっています。この記事では、特にケーセブン独自のテストを紹介します。
一般的に行われるテスト
身体を治療する治療院では、お客様の身体の状態を把握するために様々なテストが実施されていると思います。一般的には、
- 整形外科テスト
- 徒手筋力検査(MMT)
- 関節可動域測定
- 腱反射 など
- 姿勢
- 歩き方
- レントゲンなどの画像診断
などが実施されていると思います。治療院によっても違うので、もっとやっているところも全然やっていないところもあります。
ケーセブンで行うテスト
ケーセブンでは一般的なテストを行うこともありますが、最も重視し必ず行うのが反射テストです。
身体のテストしたい部分を軽くふわっと押したときに、しっかりと反応をして力を入れることができるかどうかをチェックします。ふわっと押すだけなので、外から見ていると反応できないのが不思議に見えます。
ただ、このふわっと押す弱い力にきちっと反応できるかどうかは、アスリートにとっても一般の方にとってもものすごく重要です。どれだけ敏感に外力に反応できるかどうかを計る評価だからです。(この辺のことは別記事を予定しています)
一見、力比べのテスト(MMT)などとも同じように見えますが、検査しているものは全然違います。
反射テストのアップグレード版
新しい試み
いままでは、この反射テストを一か所ずつ行っていました。
「力比べします~」
といって、一か所だけを押して、抵抗してもらうというもの。今ではこれを、場所によっては二か所同時に行うようになってきました。特に、動きの関連性のある部分二か所同時に行います。
例えば「歩く」という動きを考えたときに、多くの人は右腕を前に振り出すときには左脚も前に振り出します。そこで、右手を前に振り出す力と左足を前に振り出す力を同時にテストします。
すると、手だけならOK、脚だけでもOKの人が、同時テストではどちらかもしくは両方ダメということが頻繁に起きます。
同時テストのメカニズム仮説
どうしてこういうことが起きるのか。そして、このテストを使い施術すると身体は変わるのか。
身体を動かすとき、ほとんどは無意識で行われます。例えば、箸を使ってご飯を食べる時、どの筋肉をどれだけ動かすとか考える人はいません。ところが、力比べのテストをしようとなると、加えられた力に抵抗しようと意識が介入します。
意識は脳内で起こりますが、脳は同時に一つのことしかできないといわれています。つまり、二ヶ所を同時に押されると、意識では同時に反応することができないということです。
やってみるとわかりますけど、一か所だけテストをするのと二か所同時にテストをするのでは感覚がまったく違い、難易度が桁違いに上がります。
ケーセブンでは、この二ヶ所同時に押すテストの結果をみながらしっかりと反応できるように施術をしていきます。結果的には、このテストでもきちっと力が入るようになります。
この二か所同時テストでも力がきちっと入るようになるということは、無意識下でも力を発揮できるということ。つまり関連する運動が無意識下で自動的に発生するということだと考えています。
(異なる運動の神経をつなぐようなイメージ)
実際に上に示した手と反対側の脚でテストし反応がしっかりできるようにすると、ものすごくスムースにそして勝手に身体が動くような感じになると感想をいただきます。
現状を含む今までの評価方法の問題点
お客様の身体をより良くしようと思ったとき、冒頭に書いたように、身体の状態をしっかり把握することが大切です。そのためには、何らかのテストや評価を行う必要があります。
ところが、いろいろな人の話を聞くと、治療院や先生によってはほとんど評価しない場合もあるようです。
瞬間的にチラ見しただけで注射のオーダーしたり、訴えを聞いただけでマッサージをしたり、そういうのをよく聞きます。
筋力テストや可動域のテスト、脚の長さの評価などをする先生のことも聞くことはあります。きちっと評価をするっていいですね。ただ、筋肉テストや脚の長さのチェックだけだと、身体は全身で運動をしているという視点が欠けているようにも思います。
結果、なかなか治療効果が上がってこないということも聞きますね。
将来的にはどうなっていくのか
人の頭の中では、いろいろな筋肉をどのタイミングでどれだけ動かしていくのかがきちっとプログラムされています。これがバグって(狂って)きたとき、局所的に負担が掛かり痛みや違和感が出ます。放って置くと故障に繋がります。そのため、運動全体でのテストが必要になってくるでしょう。
ケーセブンでは連動性のテストは始めていて、例えばラケット系の競技者がラケットを振るときに反対側の肩が開くという現象を抑えるのは、ラケットを振るために動く場所と肩が開かないようにする場所に対して同時反射テストを行っていきます。
肩の開きは、経験的にこの辺のトラブルのことが多いです。選手にたくさん練習させれば多少改善はするかもしれませんが、時間ばかり掛かり非効率です。コーチが怒っているケースも散見しますが、怒っても身体の問題であれば改善しません。
まとめ
と、いろいろ書きましたが、ケーセブンでもようやく取り組み始めたところで、まだまだわからないことだらけです。現象としてはその場でスパッと改善するので、もっとシステム化していこうとしています。
なかなか改善しない動いた時の痛みがある方は、一度みせていただければ幸いです。
参考
脳は同時に二つ以上のことはできない、が記述されている本。