2001年、今やっている治療院をスタートさせました。当時は新しい治療院だったわけで、機材はほとんどが新品。それが今2019年になって、すでに残っていないものもあるし、まだまだ現役なものもあります。
そんな現役で動いているものの一つとして「乾燥機」があります。それが、この前故障しました。ということで、人の身体を修理するのと同様に、こういう機械ものも修理することがあります。基本的な考え方は一緒なので、その辺のことを書いていきましょう。
あれ、乾かない…
ある日、乾燥機を回しているのになかなか終わりません。どうしたのかと思い、一旦停止させて蓋を開けてみると中は暖かいものの、洗濯物は全然乾いていません。
さすがに18年も使っていると、壊れてもおかしくないです。というか、持ちすぎなくらいです。ということで、故障判定です。
機械が使えなくなった時に最初に考えるのは、「修理をする」のか「買い換える」のかの二者択一。今回はものが乾燥機で、その原理と症状を考えると直せそうな直感が働き、ネットで情報を集めてみました。
するとうちで起きていることと同じ現象があちこちで起こっていて、情報もたくさんありました。さらに修理もそれほど大変そうではないことがわかり、「修理をする」選択です。
修理(障害調査)の考え方はみんな一緒
「ものをなおす」って、それが機械だろうと人間だろうと考え方は一緒だと思ってます。
症状をしっかりと把握し、原理に照らし合わせる。
これがすべてなのではないかと。今回の乾燥機であれば、「どうやって洗濯物を乾かしているんだろう?」という原理的なものと実際に起きていることを照らし合わせてみたときに解決策が見えてくるはずです。
起きていることを良し悪しではなく確認すると、
- ドラムは回っている
- 乾燥室は充分と感じられるほど暖まっている
- いつもより作動音が小さい感じ
というあたり。
乾燥機は「暖かい乾燥室で洗濯物をぐるぐると回して乾かす」ので、
- ヒーターは壊れていない
- ドラムを回すモーターは壊れていない
というのがわかるわけです。だとすると、暖めてぐるぐる回した結果出てくる水分を排出できないのだろうというところに落ち着きました。で、排気ファンを見てみると…、
「回っていませんでした」。
調べて知ったことですけど、乾燥機は構造的には簡単で、大雑把にいえばヒーターとモーター一つで構成されています。この一つのモーターで排気ファンとドラムを回している。で、排気ファンに回転力を伝えるためのベルト;丸ベルトが切れるトラブルが多いようで、今回もそれでした。
修理内容的には、「裏ブタを外して、切れた丸ベルトを外し、新しい丸ベルトを装着し、裏ブタを閉じる」これだけ。実際に行うと難しい作業が発生する場合もありますが、今回はそんなに大変じゃなかったです。
人の身体だったら…
本業的には人の身体の調整や修理をします。これもこの乾燥機の例と発想としては同じ。
痛みや不具合を訴えてくる方には、「何をどんなふうにしたらどこにどんな症状が出るのか?」を聞き取りし、再現できる範囲で再現してもらいます。
それを身体の動き方の基本に照らし合わせて、外れている場合には何が起こっているのかを正確に判断するための検査をします。この検査が僕の場合には肝になっていて、標準的な教科書にあるようなテストだけではなく、その場その場でオリジナルなテスト方法を考え、場合によっては新テストを作りながら検査を進めていきます。
徒手検査と呼ばれる方法ではありますが、たぶん一つの症状に対して僕よりも検査をする先生はほとんどいないと思います。ちなみに、全身をメンテする場合には500回以上の徒手検査を実施します。
まとめ
今回の乾燥機の故障→修理は、構造もシンプルだったし簡単でした。でも、仮にもう少し難しいものであっても考え方的には同じです。普段、人の身体のメンテナンスで使っている考え方も一緒なので、故障修理系は大抵修理可能なのか廃棄なのかの区別がつきます。
と、普段の仕事(本業的な…)が職場のメンテナンスにも使えるし、なんでもかんでも障害調査屋さんになってしまう根っこのようなものを紹介してみました。
あっ、そうはいっても、今回の乾燥機は構造が簡単だったからできただけで、大抵は知識も工具も不足していて、専門家にお願いすることがほとんどです。なんでもかんでも持ってこないでくださいね。