一回の治療で治るってありえるのか

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突然痛みが出てきたり、怪我をしてしまって時に治療を受けることがあると思いますが、「患者」という立場から言えば、治療を受けたら一発でなんでも治ってしまうって理想でしょう。実際、「一回で治った」なんて話を聞くことはあるのですが、比較的多くの方が少し思い違いをしているケースもあるように思えるので、少し考えてみたいと思います。

では、ちょっと実例で考えてみましょう。いくつかのケースを上げてみます。

1. 料理をするときに包丁でちょっと指を切ってしまった。

たまにはありますよね。実は僕はまず包丁を持つことがないので料理で指を切ることはないのですが、料理をしない方でもちょっと切ってしまったなんてことはあると思います。

で、こんなときに、すごく有名な治療家の先生に指を診てもらったら一回で治ると思いますか?診ているその場からミルミル傷がふさがっていくとか…。

2. レントゲンを撮ったら骨がポッキリ折れていた。

派手に転んでしまったり何かにぶつかった時に、激しい痛みが出て更にぶらぶらしてしまったよなんてことが起き、急いで病院に行ってレントゲンを撮ったら骨がポッキリ折れていた。これもまぁ、滅多にはないかもしれないけど、ないことないですよね。

こんなときにもそこの病院の先生が世界的な名医だったとして、なにかをちょいちょいってやったら骨が元通りにくっついて元気に帰ってくることができた。そんなことは想像できるでしょうか?

もしくは、有名なスポーツ選手が世界大会直前に骨折して、有名な先生に治してもらって何事もなかったかのように参加してきた、なんて聞いたことはありますか?

3. 10年位前からいつの間にか腰痛になってしまった。

身近なところを見回すと、こんな人は少なからず見つかるような気がしますね。こんな人たちが有名な先生のところに行ったら、その場で痛みがなくなってしまった。

もしかしたら、これは聞くことがあるかもしれないですね。

ということで、いくつか事例を想像していただいたのですが、何となくありそうだったり不可能そうだったりしませんか?

実は、一発で治るというようなことを聞くことがあるとは思いますが、治るものと治らないものがあります。少し正確に言うと、物質的に破損しているいわゆる怪我は一発で治るわけはないし、身体の使い方(動き方)の問題で負荷が一部分に集中していることで痛みが出ているような場合には、使い方(動き方)を修正すれば問題がなくなってしまう(治るんじゃなくて)ケースがあるということです。

怪我をして靭帯が伸びてしまっていたり、切れかかっていれば、人間の力としてそれを修復するにはある程度の時間がかかります。どんなにいい治療をしたからといって、その場で元通りに修復することは現代医学では無理です。

でも、もしかしたら壊れてしまった部分を上手に使わないように身体を変化させることができたら、「痛みを減らすこと」はできるかもしれません。まっ、動かなければ痛くないっていうのはこういうことの一例ですね。

だから痛みには、一発で解決するものとしないものがあります。それは、痛みが出ている原因によるわけで、怪我の場合にはとても分りやすいですが無理で、そうでないものの場合には注意深く原因を探らないとなんとも言えません。

「あの先生は上手だから一回で治してくれる」

そう言われるのはどんな治療家だって嬉しいかもしれませんが、それは腕の問題だけでどうこうなるものではありません。なる場合とならない場合があります。

なぜこんなことを書いたかというと、ある治療方法のWebサイトに「肉離れが数回で治せる」みたいなことが書かれていたんですね。上のような原理が分かっていれば、こういう記述にだまされないで済むと思うのです。

もちろん、治療方法や腕によって治るまでの期間が変わるということは充分あります。でも、数回で治ってしまうとすれば、非常に軽いもの限定だったり、来院しなくなってしまった人を治ったと集計していたりするかもしれません。治った気にさせるのが上手な先生も実際にはいます。

誰でもトラブルからは少しでも早く逃れたいと思います。そんなときに期待をもたせる記述はたくさんありますが、ほんのちょっとどうなっているのかを考えてみることも必要です。ほんのちょっと立ち止まって考えてみてください。

この記事を書いている人

走尾 潤Body Tuning Labo K7"代表 / Body Tuner
K7“代表の走尾(はしお)です。
工学部を出て、富士通系コンピュータメーカーで回路設計を11年以上経験してから人の身体の業界に入ってきました。
今の仕事も四捨五入して20年に入ってきて、かなりレベルが高くなってきています。
コンピュータ業界で培った考え方、アルゴリズムを人の身体を良くする手法に取り入れ、大きな成果を上げています。また、常に手法の修正を行っており、進化する施術を提供しています。
お客さまにはアスリート、ダンサー、職人さん、芸術系の方が多いです。
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