膝のトラブルの本当の理由2

LINEで送る
Pocket

前回、腸脛靭帯炎を起こしている方の膝の動きの映像をご紹介しました。今回は、腸脛靭帯炎の起こるメカニズムと、僕がそれをどう対処していくのか、その辺をお話したいと思います。

腸脛靭帯周辺のしくみ

腸脛靭帯は、大雑把に言うと下図のように骨盤の外側から膝の下側(すねの骨)についてます。腸脛靭帯炎というのは、この腸脛靭帯が膝の外側で骨と擦れて起こると言われています。

膝は真っ直ぐではない

この図で注意していただきたいのは、膝はモモの骨とスネの骨でできている関節で、実はまっすぐではなくて少しだけ外側に曲がっています。単純に考えて、普通に立ったときに足の幅よりも付け根の幅の方が広いためにこうなります。本来、この外側に曲がっているのが正常であり、腸脛靭帯が膝の外側で骨と強く擦れるはずはありません。

ここで、前回の記事に載せた映像を思い出して欲しいのです。障害をお持ちの方は、歩行・走行時の荷重の瞬間に膝が外側にスライドし、その瞬間だけ膝が外側に曲がる度合いが減ります。下手をするとその瞬間だけO脚気味になります。

こう考えれば、腸脛靭帯が膝の外側で骨と擦れることは当たり前で、腸脛靭帯炎の原因だと考えています。

参考までに、膝に障害を持つ方の足踏みをした時のお皿の動きを画像化したものがありますので、そちらもご覧いただくとより分かりやすいかもしれません。
膝の動きを誰にでも分かるように画像化してみた

なぜこうなるのか。

実際にはいろいろな原因があるのですが、理屈として分かりやすいのは、腸脛靭帯の膝の下側を外に引っ張る力うまく働かなくなるということ。

腸脛靭帯の上側は筋肉で、ここの機能が低下をすると、腸脛靭帯を引っ張る力が弱くなり、スネの骨を外側に引っ張る力が弱くります。そして荷重時に膝が外側にずれる現象が起こると考えています。

あと、荷重時には脚は内側に捻れていきます。この捻じれを抑えるのは股関節にある筋肉なのですが、これがしっかり機能しないと荷重時に脚は内側に捻れ過ぎ、骨盤が外側にずれます。すると、その下にある膝も必然的に外側に流れることになります。

さらに、比較的多いのが足首の安定性の欠如です。やはり荷重時に内くるぶし(内側アーチ)が内側に落ち込むような動きをする人がいます。この場合、相対的に膝は外側ずれるように見える場合があります。

このように膝が外側にずれてしまう原因はたくさんあり、一つひとつを確認する必要があります。

大切なこと

大切なのは、このように何らかの原因により結果である腸脛靭帯炎をはじめとする障害が発生すると言うことです。治療として「ただ休む」と言うことを選択した場合、症状は改善するかもしれませんが、現場復帰(社会復帰)をした時点では原因が残っているので再発リスクは高いのです。

僕は、結果として起きてしまった症状を修正するより、原因の除去を考えて施術に当たっています。

☆☆☆ みなさまへのお願い ☆☆☆
この記事へのご意見、ご感想をお寄せください。
お返事はできないかもしれませんが、
必ず一つ一つ読ませていただきます。
ご意見、ご感想はこちら

この記事を書いている人

走尾 潤Body Tuning Labo K7"代表 / Body Tuner

もともとは、富士通系のコンピュータメーカーでハード設計を11年くらいした。

ある時、運動選手のケアがしたくなり、脱サラ、接骨院開業。本格的にケア事業をするために、現在の自費治療院を開設。

今では、世界に挑戦するジュニアテニス選手やプロ選手。3時間を切る、比較的早い市民マラソンランナー、ダンサーや俳優などのケアサポートを行う。


LINEで送る
Pocket

膝のトラブルの本当の理由2” に対して 16 件のコメントがあります

  1. M.S より:

    こんにちは。遅いコメントになりますがお許し下さい。
    私はバドミントンをやっています。バドミントンはラケットを持っている方の足を常に前に踏み出し、反対の足は蹴り足(軸足)になります。フェンシングのようなイメージです。また後ろに来たシャトルを打つ時には、利き腕を引き相手に背中を向けるような感じで半身にし、利き腕側の足を後ろに踏み込みます。打つ瞬間に左右の足をはさみのように入れ替えて利き腕と反対側の足で蹴り、(わかりにくいですが)体重が利き腕側の足→反対の足、と移動します。
    この時に蹴る方の足である左側の膝が痛くて困っています。
    整形外科で腸脛靭帯炎と診断されましたが、O脚でもないのになぜ?と思いました。でも映像を見て納得がいきました。
    多分後ろでシャトルを打つ時、特に追い込まれてあおられた体勢で踏ん張ってシャトルを取る時に、映像のように蹴り足の膝が過伸展気味になり、中心から外側にずれるのだと思います。
    筋力アップもさることながら、フットワークをもっと練習してできるだけあおられない体勢でシャトルを取れるようにならないと、と感じました。クッション製の高いシューズも買いました。
    ただ私は大体骨頭で靭帯が擦れる所よりも、最初は頸骨への付着部がかなり痛みました。そういう事もありますか?
    今は大体骨頭部や膝裏も痛いですし、じっとしていても腫れてうずくように痛みます。
    今は腫れが結構あるので、もう少し引いたら筋トレとストレッチを頑張ろうと思っています。あと年末年始は休みます(汗)。

  2. M.S. より:

    何度もすみません。
    あと私は学生時代に膝が痛い方と同じ左足を酷く捻挫して、結果的には骨折していて手術した事があります。何だか色々納得しました。学生時代は膝は全く平気でしたが、年を取って筋力が低下して膝が痛くなったのかもしれないですね。
    サポーターやキネシオテープで何とかならないかなあと模索中です。どんなものがいい、など(一般論でかまわないので)ありますか?

  3. はしお より:

    M.S. さま
    コメントをありがとうございます。
    なかなか痛みの取れない左膝、お困りのことと存じます。
    膝の痛みの出方、ご自身の身体の状態や動きについても
    理解されているようで、素晴らしいですね。
    治療をする立場の人でもなかなか理解して貰えないことが多いです。
    (ブログを書いてよかったです)
    さて、実際に治療をしていくときに、この記事の情報だけでなく
    もっと沢山の事象を確認しながら行います。
    その一つに、身体の動きには左右差があり、その修正があります。
    M.S.さんの場合、多分左側の身体の動きが右側に比べると
    鈍い傾向があると思います。
    (スキルの高い専門家の評価が必要です。)
    これを修正することがまず最初の一歩になります。
    これはこれで、また沢山のポイントがあるので、ここでは
    書けませんが結構いろんなところを見なければいけません。
    そこで、とりあえず、左足の裏(足底)にキネシオテープを
    一本だけペタっと貼ってみてください。
    もしかすると、多少痛みが和らぎます。
    あと、左の骨盤から脇腹にかけて、縦にまっすぐにやっぱり
    キネシオテープを貼ってみてください。
    身体の真横ですね。
    このとき、テープは引っ張らずにただ載せるだけです。
    ブログではこのくらいのことしか書けませんが、
    何もしないよりはいいと思いますので、試してみてください。
    これからもはしお接骨院ブログをよろしくお願いします。

  4. M.S. より:

    丁寧なコメントをありがとうございました。
    さっそく足裏と脇腹のキネシオ、やってみます!
    私はイメージ能力が低いので体の動きがつかめない方なのですが、こちらのブログには映像がたくさんあり、解説も非常に丁寧でわかりやすいので本当に参考になります。
    こちらこそ、今後ともよろしくお願い致します。

  5. kitabayashi より:

    右の膝の外側から大腿部内側(裏側)、またふくらはぎまでの一直線が、だるかったり、痛かったりするので、検索してこのページに至りました。
    症状は1月前くらいから、特にひどかったのは先週。
    エアロビクスをやっています。けっこう激しいのが好きです。ダンス系のクラスにも出ています。その前後に痛くなります。
    エアロを休まないために、ロキソニン(痛み止め)を飲んだら治まったので、それでレッスンに参加したりしています。
    本格的にお医者に行こうとは思いますが、とりあえず、ぴったりのページを見つけたので、うれしくて書き込みしました。

  6. はしお より:

    kitabayashiさま
    コメントをありがとうございます。
    エアロビクスをされているのですね。
    かなり激しいかと思いますので、膝の痛みは辛いことと思います。
    ロキソニンなどの痛み止めは、緊急時にはある程度頼りになるかと思います。
    ただ、ず~っと服用はちょっと気になりますね。
    この記事にあるような動きがあるとすれば、痛みの原因になっているだけでなく、右脚を中心にする動きのキレが悪くなっていることもあるのではないでしょうか。
    痛みは誰しも辛いので一番気になりますが、実はその陰でカラダの動きが緩慢になっていることが多く、それも問題のことが多いです。
    早く治るといいですね。

  7. より:

    35歳小児科医です。最近ジョギングを始めました。球技系のスポーツはフットサルやラグビーなどしてきて大きな怪我はなかったのですが、ジョギング2年目にして腸脛靭帯炎を起こしてしまいました。整形外科医に聞いても「休息しかないです」としか言われず、自分でいろいろネットで勉強していましたが、はしお先生のおっしゃっている理論が最も妥当性があるように思いました。近くなら受診したいのですが、関西です・・・同様の治療法を行っている関西圏のお知り合いの先生などおられませんか・・?

  8. はしお より:

    そ さま
    腸脛靭帯炎って、なかなか改善せずにお困りのことと存じます。
    で、同様の治療法をされている方ですが…、残念ながらご紹介できる方は今のところおりません。
    と、いうのも、今のやり方は自分がスポーツトレーナーとして現場で培ったきた見方なのです。そもそも、動きは評価することはあまりされませんし…。
    実験的に、動画を送っていただきテーピングの方法を伝えるという手法をとったことがあります。非常に面倒ではありましたが、それなりに効果は出た手応えはあります。(科学的な根拠は得られていません)
    今は手間の問題で行なっていませんが、映像を送っていただくことができるのであれば、それを見せていただいてどんなふうに見えているかくらいはお伝えできます。その上で、どんな処置を取っていけばいいのか、アドバイスまでは出来るかと思います。
    まず最初に、その程度のことでも構わないようでしたらご連絡をお願いします。

  9. より:

    ご返信ありがとうございます!
    一度ビデオ撮影してメールか郵送して見ていただこうと思います。わかりやすいように膝に印をつけてみます。
    是非いつか関西に分院を・・・お願いします。

  10. はしお より:

    そ様
    足踏みの映像を是非送ってください。
    一度見せて頂きます。
    e-mailは、info@hashio.jpまでお願いします。
    データが大きい時には、ファイル転送系のものをご利用ください。

  11. peko より:

    ランニングによる膝の痛み発症してしまいました。ラン歴1年少々です。来月の京都マラソンをめざし距離を積んできました。昨日2度目の30キロ走をしたところ20キロあたりから膝が痛みだしました。痛みをこらえ走り切りましたがそれ以降膝を伸ばすと痛みが走ります。
    前兆は先週にあり、膝が脱力し痛みが1日ありました。しかしすっかりよくなったのでロング走をしてしまいました。
    もともと左足は膝が内に入り足首も超サピネーションであることは認識し、インソールや骨盤を矯正するストレッチ等もおこなってきました。今後できれば出場にむけて考えていきたいのですが今は歩くにも痛みがあります。
    すがる思いでテープを膝を保護するように貼り足の裏脇腹にも貼りました。
    何か良策があればご教示ください。

  12. はしお より:

    pekoさま
    コメントが遅くなりすみません。
    京都まであまり時間もなく、不安なことと存じます。
    さて、コメントいただきました件についてです。文面だけより何が起きているのかを推測することはかなり困難なのですが、下肢に比較的強いねじれが出ていることと思います。
    内側に入っていくようなので、テーピングをするとすれば、お尻にある股関節を外旋させる筋群、それと太もも前面の外側の筋肉にキネシオテーピングをすると多少はいいかと思います。あくまでも推測の域ですけど…。
    足の裏と、脇腹のもかなり重要なものなので、貼っておかれるといいと思います。
    実際にみせて頂いてテーピングをする場合には、かなり広範囲に貼り込んでいきます。なので、これだけで効かせるのはかなり難しいのですが、無いよりはいいはずです。
    ご自身の足について勉強されているようなので、いろいろ対策もされていることと思います。あと、股関節周りについても、まだ対策がされていないようであれば、何らかの対策をされるといいと思います。
    文面だけでのコメントなので、お役に立てるかどうか分かりませんが、なにかヒントになることを掴んでいただければ幸いです。

  13. マリイ より:

    こんにちは。
    当方40代の女性です。
    片道4キロを通勤に歩いていましたが、最近は市民ランナーをよく見かけるので、
    ちょっと楽しそうだと思って、自分でも走ってみたんです。
    最初は息が上がる前に筋肉痛で全然走れなかったのですが、3ヶ月くらいしてどんどん走れるようになりました。
    それはよかったんですが、いつも左手に通勤バッグ(1.2キロくらい)持って走っていたせいか、やはり3ヶ月くらいで左ひざの後面が痛くなってしまいました。
    片方に荷重をかけて走るのってよくないんですね。今は走るのを自粛し、自転車を使っています。
    こんなアホは日本中で私くらいなのかもしれませんが、マラソンブームなので、こんなこともありましたということで、注意喚起と自己反省のために書きました。
    スポーツ障害も侮れませんね。生活が不自由です。

  14. ヤス より:

    はじめまして。腸頸靭帯炎を何度も繰り返し、ついには1ヶ月前のハーフマラソン以来全く走れなくなったものです。どうしても年末にフルに挑戦したく自分でも色々調べたりトレーニングをしているのですが一向によくならず、むしろ悪化の一路をたどっています…そこでパソコンで色々調べる中で、先生のこの記事に行き着き、とてもその考え(休養だけではなくトレーニング)に共感・感動しました!もしよろしければ相談に乗って頂けないでしょうか。
    【現状】
    ・左腸頸靭帯障害 ・全体→スウェイバック+円背気味 ・脊椎→左側屈 ・骨盤→右後傾、左前傾、右回旋 ・O脚 ・下腿→内反ねじれ ・足関節→内反 
    【硬縮部】
    ・左腰方形筋 ・右脊柱部 ・右梨状筋 ・左中殿筋 ・両ハムスト ・ガストロ(特に内) ・大腿部(特に両外側) ・右腹斜部 ・右腸腰筋
    【トレーニング】
    ・腹横筋+腸腰筋のインナー ・脊柱部のインナー ・下腿+大腿+足関節の外反(OKC) ・ピラティス ・ウォーキング30分(毎日)+時にエリプティカル(クロストレーニング)
    【ケア】
    ・患部に炎症鎮静薬(晩) ・患部の筋膜リリース(ポール)・患部のストレッチ(2種類を1日5セット程) ・左中殿筋のマッサージ(テニスボール)・全身のリラックス(ポール) ・有酸素運動後と就寝前のアイシング
    以上のような内容で行っていますが、一向によくなりません。また30分ほど歩くと患部がポコポコと音を立て始め「こすれている」と分かります。また起床時は膝を伸展するのが痛く伸ばしきるのに時間が掛かる始末です…。非常に細かくなり申し訳ありませんが、本当に藁にも縋る思いです…よろしくお願い致します。
    ※非常に個人的な内容で他の方にご迷惑であれば削除の程宜しくお願い致します。

  15. はしお より:

    ヤスさま、コメントを有難うございます。
    かなり繰り返されているようで、お困りのことと存じます。
    さて、文章でははっきり分かりませんが、症状的に走っている時の重心が左側にぶれている感じはします。さらに言えば、左肩を前に突っ込むようにしているかなぁと…。
    個人的に少し気になるのが、ストレッチ系のケアが多過ぎるような気がします。こんなことを書くとあちこちから怒られそうですが、ストレッチをすると筋反射が低下すると思っています。
    具体的には、着地した瞬間の身体のコントロールが効かなくなって外側にブレるということが起こる。身体の癖で、左側には顕著に出る。そんな気がしています。
    もう、やり用がないところまで行かれているようであれば、ダメ元で
    ・患部の筋膜リリースをやめる
    ・左中殿筋のテニスボールによるマッサージをやめる
    ・患部のストレッチは、ホンのちょっと伸びた感じがする所で止める
    というのをやってみてはいかがでしょうか。(気持ち的に怖くなければ)
    患部のストレッチは、外力を使い無理やり伸ばしていくと言うよりも、左脚自体を他からの外力なしに内側に持っていくようなストレッチがいいかなぁと。
    少なくとも、同じことを続けても状況はあまり変わらない可能性もあるので、何か違うアプローチが必要かもしれませんね。

  16. ヤス より:

    早々の返信ありがとうございます。確かに、自身もストレッチに関しては疑問がありました…。薦められて行ってはいたものの、特に患部は炎症しているのにマッサージはどうなのかと思ったり、ストレッチをしても変わらないなどがありましたので…ありがとうございます、実践してみます!

この投稿はコメントできません。