アスリート展のトークイベントで為末大選手を始め、各界トップの話を聞いてきました。

この週末、六本木の21_21 DESIGN SIGHTに行ってきました。

ここでは先週から、企画展としてアスリート展が開催されています。このイベントのオープニングトークとして陸上の為末大選手を含むディレクターの方々の話を聞く機会がありました。

六本木 21_21 DESIGN SIGHT アスリート展

話の内容としては、今回の展覧会の一つ一つの展示物の解説です。でもそのバックグラウンドとなる、展示物から離れた話もたくさんあり、自分の仕事的にもとても役立つことが多かったです。

そこでこの記事では、話の中で僕が関心を持った点とそれについての僕が思ったことを紹介します。

紹介していく話はそれぞれ独立したものです。話された順番もこの通りではありません。為末大さんの話したことから紹介しますが、記憶を基に書くのでもしかしたら間違った認識のものもあるかもしれません。その辺はご了承ください。

運動は無意識を意識に落としていくことである。

運動というのは、最初にやり方を教わり意識下で練習をしていく。そのままでは試合に使えないので、練習を繰り返し無意識に落とし込む。また意識に戻し、無意識に落とす。この繰り返しをしていくこと。

つまり、運動は選手にとって無意識下で行われています。だから、フォームの狂いはなかなか自分では気付けない。コーチに教わったり、鏡を見たり、ビデオに撮ったりして客観的に見る必要があるということ。

僕がやっている全身調整は、無意識下で行われている運動の効率を上げていくこと。無意識下で行われているところを触っていくので、なかなか選手自身にわかりづらい。だから、相手選手が気づいたり、周りで見ている人が気づいたりします。

立つということであれば立つだけしか考えていない。

今回の出展物に、重心の位置や揺れ具合を測定するものがあります。その展示物がらみでの話でしたが、為末選手とかでも、重心には意識が向いていなかったようで、「ただ立っている」というくらいの認識しかなかったようです。

僕が全身調整をする時には、僕が思う理想の位置に重心を合わせこみます。前過ぎても後ろ過ぎても、何らかのトラブルの原因になることが多いです。

〇〇筋が太いとか細いとか有意に違いが出ない。

100m で10秒フラットから10秒2のコンマ2秒くらいの能力差の選手を比べた時に「何々筋が大きいとか小さいとか有意な差は出てこない」ということでした。では、何が差をつけるのか、まだよくわかっていないそうです。ただ、身体の使い方だろうというのが最も多くいわれているようです。

僕が全身調整をする時、最も効率的に身体が動くようにするのが目的なので、筋肉の強さだけが意識される今、こういう話はとても嬉しいです。ちなみに、僕が全身調整をするときには、刺激に対する反応具合を調整していきます。神経の働き具合ですね。力じゃなくて、速さです

アスリートは、戦う・競う場所ができて生まれた。

オリンピックの歴史は古く、古代から行われています。これが行われるようになり初めてアスリートという言葉が生まれました。戦ったり競う場所がなければ、アスリートはいませんでした。

なるほど、という感じです。

「今はアスリートの方を対象に仕事をしている」という時にアスリートって一体何だろう、みたいに思うことがあります。

この「アスリート」が生まれたことを考えると、試合に出て競い合う人は、みんなアスリートですね。そのレベルは関係ないです。この辺は多くの人の言葉の定義が違うので難しいところではありますが、自分としてはそう理解していくことにします。

道具が変わるとランキングが変わる。

スラップスケートの例があげられていました。

ギアが変わるとそれまでの勢力図が大きく変化するということがあります。競泳の水着もそうですね。これを考えてみると、変化に対応できる人が強い人といえるかもしれないし、たまたまルールにフィットした人が強い人かもしれません。色々考えさせられる問題です。

ただ、根本的には身体はどんな競技種目においても基本となるギア(道具)な訳で、僕はそこを最も効率的に動くように改善します。道具が変わって身体の使い方が変わるとすれば、そこに合わせて動き具合の調整も変化していくことになると思います。

「自分の身体が一番の道具」、これに気づいていない人って、かなり多いです。

道具が変わるとランキングが変わる実例としてテニスでのラケットがあります。現在40から50歳を超える人たちは、あまり飛ばないラケットを使ってテニスを覚えてきたので、今でも重心移動でボールを押し出すような動きを持っています。

でも若い子達は、最新に近いラケットを使っているのでボールがどんどん飛んでくれます。そのため、軸足を中心にコンパスを回るような、くるっと回る動きでボールを打ちます。押し出す動きを覚えてしまった人たちは、くるっと回る動きにはなかなか修正できないです。

歳が上の人たちでも、道具の変化に対応できて打ち方を変えられた選手は、ランキングが上がっていくことでしょう。

まとめ的に

こういった話が、次から次へと放談されていく感じでした。

たまに、こうやって世界を見てきた人や、業界トップの人たちの話を聞くと、刺激や新しい視点を得ることができて楽しいです。こういうインプットを増やして、ご利用いただくアスリートの方々へ最高品質の施術としてフィードバックしていきます。

アスリート展、ご興味のある方は、6月まで開催されているそうなので、是非足を運んでみてください。

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この記事を書いた人

Body Tuning Labo K7”代表の走尾(はしお)です。
人の身体、特に上昇志向の強いアスリートの動き具合を調整していくのが一番得意。
ほぼ100%の人が「自分の身体はちゃんと動いている」と思っているので、もっといい世界があることをお知らせしたい。
元コンピューターハードウェア設計エンジニア。たぶん、異色の転職組で人の身体への接し方が違います。それが結果の違いも生みます。

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