「筋トレはやった方がいいんですか?」アスリートに最近よく聞かれる質問です

ここ数年のケーセブンのお客様の平均年齢は下がっていて、小・中・高生が多いです。将来、アスリートとして食っていきたい子たち。

そんな中、最近頻繁に特に中学を卒業したばかりの高校生の選手たちから同じような質問を受けてます。アスリートとしての環境的にはチームが違うのでみんな違うはずなんですけど、受ける質問は同じ。

筋トレはやった方がいいんですか?

というもの。中学生の時にはそれほど「筋トレ筋トレ」いわれなかったのに、高校に入ったらかなり強めにいわれるみたい。

筋トレについては、誰しも興味のあるところだろうと思います。が、考え方は人(コーチなどの指導者)によってまちまちです。なので、ここでは、ケーセブンなりの筋トレについて考えていることを紹介します。

そもそも人によって考え方が違うので、あくまでもケーセブンではこう考えるということであって、教科書の答えのような絶対解は世の中に存在しないです。

筋トレは必要なのか?

ケーセブンの結論としては、

まったくやらないよりはやってもいい。 でも、無条件に闇雲にやるのは良くない。 やるなら目的を明確にしてやりましょう!

という感じです。

目的が大切です。

何のために筋トレをやるのか?

人によって筋トレをやる意味は違うと思います。誰しもスポーツをしている人としていない人では全く違う目的がありそうだと、なんとなくは思うのではないでしょうか。

例えば、スポーツをしていない一般の方であれば、

  • 健康増進
  • 運動不足解消
  • ダイエット(代謝を上げる)
  • 趣味

という辺りが思いつきます。他にもあるかもですけど。

アスリートが考えるとすれば、

  • 身体を大きくする
  • 力を強くする
  • 筋持久力を上げる

この辺が目的になるでしょうか。特に「力を強くする」が多いでしょうか。

競技種目にもよると思いますが、 ケーセブンでは高校生ぐらいでしたら筋トレを勧めることはまずありません。筋トレ効果が無いとはいいませんが、その前にやっておくべきことはあると考えているからです。

人間としての成長を考えても、トレーニング効果は多分それほど出ないので、そんなに頑張る必要はないかなと思っています。 本当にたくさんの筋肉をつけたいのあればもう少し歳が上になってからでもいいでしょう。

筋トレに走る選手たち

今までたくさんの選手たちをみてきました。中には実際に筋トレに走る選手も少なくありません。そして、若いスポーツ選手たちが筋トレに走るのもわからなくはありません。実際に筋トレは成果が見やすいし実感がわきやすいのです。

  • 体重増加
  • 見た目が大きくなる
  • 太くなる

などなど、成果がとてもわかりやすいです。

わかりやすいトレーニングほどはまりやすいのは人間の特性です。

ただ、筋トレを始めると身体がすぐに強くなるのはわかるのですが、それでもいくつかの問題があると考えています。

まず一つは、身体が重くなっていくこと。

筋トレをすれば筋繊維が大きくなるので、身体は大きくなります。合わせて体重も増加します。

この身体が重くなった状態で上手に身体を使えるようにならないと、ただの重りをつけただけになってしまいます。

中学を卒業し、遠いところのチームに入った選手が、この夏に帰省しメンテに立ち寄ってくれました。その時にも、チームの方針で「とにかく身体を大きくしろ!」とたくさん食べさせられ筋トレをさせられ、その結果身体が重くて動きにくくなってしまったといっていました。本末転倒ですね。

この場合、厳密には「筋トレ」が悪いのか「筋トレ指導」が悪いのかはきちっと評価しないとといけません。ただ現実としてこういった事が起こっています。

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もう一つは、20代半ばを過ぎると身体はだんだん小さくなっていくということ。

10代から20代前半でたくさんの筋トレをして身体を大きくし筋力を強くし、それ力を重点にプレーをしていた場合、20代後半から筋力はどんどん落ち始めるので、合わせてスポーツのパフォーマンスも下がっていく可能性が高いです。

実際にそういう選手も見てきました。とある競技のプロ選手は、常に筋トレで身体を大きくする努力をしていました。人としての肉体的なピークの頃には、その競技でのパワーは日本一だといっていました。が、数年でランキングから消えていってます。これは筋トレのせいだとはいい切れませんが、少なからず影響はしていると思います。

ある程度年齢がいってからも活躍している選手は、筋トレによるパフォーマンスには頼っていないと思います。というか、無理でしょう。

例えば有名どころで、野球のイチロー選手やサッカーのカズ選手などは、40代、50代でも活躍しています。その年代で筋トレで活躍すると考えるのは現実的ではありません。

イチロー選手などは、アメリカに移った時に筋トレで身体を大きくしたそうですが、結局うまくいかず軽量化を図ったそうです。そして、あの活躍です。

最後にもう一つと上げるとすると、筋トレにはまりすぎると「結果を求めるために筋トレを始めたはずなのに、筋トレ自体が目的になってしまうことがある」ことでしょうか。

ベンチプレスが何キロ上がったとか、腕の太さがどのくらいになったとか、そういったことを競い合うようになったりする場合があります。意味ないですね。 もちろん、ボディビルダーはそれが目的なので、全然問題ないと思います。目的が大事なのです。

ケーセブンの筋トレに対する考え方

ケーセブンは身体のメンテナンスをするところで、筋トレの専門家ではありません。なので筋トレ筋トレとはならないのはあると思います。筋トレの専門家だったらもっとやれっていってるかもしれません。

ただ、 身体が壊れないようにするもっと軽く自由自在に動くようにする、ということを目的として身体のメンテナンスをしていると、まずは筋力よりも自分自身の身体をきちっと使えるようになることの方が大事だと考えるようになりました。

最近では、 色々なジャンルの競技を参考にするようにしています。特に肉体だけを使う武術系統の動きをみるようになりました。

武術系の競技にも色々な種類があるので絶対でありませんが、脱力をものすごく大事にしている種目が多いです。脱力ができないとパワーが出ないという一見矛盾したような事が起こっています。

脱力ができないとパワーができない。力を抜けばパワーが出る、そういうことです。だとすれば、きちっと脱力ができて身体の操作ができるようになると、筋力に頼る場面はどんどん減っていくということです。

つまりは筋トレによって身体を大きくしたり力を強くすることの優先度が下がります。

筋トレに頼りすぎると、身体の成長期が過ぎて衰え始めた時に競技生活は終わることになります。しかし身体を動かす技術を磨くタイプであれば、技術は年々向上する可能性があります。つまりは選手寿命が長くなる可能性が出てきます。

そういったことからも、 ケーセブンでは選手生命を長く維持して欲しいので、筋トレよりも身体操作を重視したメンテナンスを行っています。 なので、筋トレはやらないよりはやってもいいかな、という程度の結論になります。

ケーセブンのメンテでは身体がきちっと動くようにメンテをし、さらにその使い方を練習してもらいます。その中に単純に押し合いをするメニューがあります。

いつも、小中高校生相手にメンテをするその中で、単純に押し合いをします。僕は四捨五入すると60になってしまう年代になってきましたが、まだバリバリアスリートの高校生には負けません。

当然、単純に筋力などは僕なんかより高校生の方がたくさんあると思います。でもまるで勝負にならないんです。というのも、身体の中にある力を上手に相手に伝える技術が僕にはあるからです。

そういったことから、筋力よりもまず身体操作、自分の身体を自由自在に使えるようになることが先決だと考えています。自分の身体を自由自在に使えるようになったその後で、相手のパワーに負けるようであれば、その時に筋トレを考えても遅くはないと思います。

身体を自由自在に、自分の思った通りに動かす。その技術にはキリがありません。多分引退するまで突き詰めていかないといけないです。だからこそ選手寿命は長持ちするわけで、筋トレメインで行くのはかなりきついだろうなと思います。

まとめ

ただ、筋トレを完全否定するわけではなくて、やはり多少は行った方がいいと思います。

自分にとって筋トレで何を得るのか。 その目的意識をしっかりともってやったら絶対にプラスになります。その目的意識なく闇雲にやるのであればやらない方がいいぐらいだと思います。

筋トレについてはここまでに書いてきたように考えています。まずは身体操作。それで足りなければ筋トレ。そんな感じです。

筋トレの専門家には、これ以外のメリットを知っている方はいると思います。日常的にはそういう方に教わって、多少なりとも筋トレをするのはいいと思います。ぜひ筋トレのスペシャリスト探してみてください。ケーセブンとはまた違った話が聞けると思います。

最後は選手自身が、何が一番自分にいいのかを考えて採用することが重要です。結局、その辺のことがきちんと考えられる選手が伸びていくみたいです。頑張ってください。

※文中のメンテの中での身体の使い方練習は全身調整メニューで行っています。バランス調整メニューではそこまで深くは実施していません。

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この記事を書いた人

Body Tuning Labo K7”代表の走尾(はしお)です。
人の身体、特に上昇志向の強いアスリートの動き具合を調整していくのが一番得意。
ほぼ100%の人が「自分の身体はちゃんと動いている」と思っているので、もっといい世界があることをお知らせしたい。
元コンピューターハードウェア設計エンジニア。たぶん、異色の転職組で人の身体への接し方が違います。それが結果の違いも生みます。

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