根本治療とは存在するものなのか?

「身体を治す」、特に整体分野に多いと思いますが、「根本治療」という言葉があります。が、しかし、個人的には世の中に根本治療なるものは存在しないんじゃないかと思っています。すべてが「対症療法」なんじゃないかと。

昔、ある初診患者さんに

ここの治療は根本治療ですか、対症療法ですか?

と質問されました。当時、まだ患者さんへの対応があまり上手にできなかったので、たぶん誤解されるとは思いつつ、

対症療法です!

とはっきり答えた記憶があります。こういった質問をする方は、そもそも論として根本治療を求めていたはず。今ならそういうこともわかります。が、当時はよくわからず直球で答えました。

当然、残念そうな顔をされたし二度と来院されることはありませんでした。

根本治療」という言葉。根本治療を受けたいと考えている患者さんに、根本治療とはどんなものと考えているのか、施術の提供側と受ける側の考えをすり合わせられたらいいなと、この記事を書いてみます。

根本治療とは存在するものなのか?

「根本治療」。実は、あやふやなものです。 Wikipedia にはありません。似たものとして原因療法という言葉の解説があります。対症療法に対する言葉として解説されているので、ここでのテーマ的には根本治療と読み替えてもいいと思います。

根本治療が原因治療とほぼ同じものと仮定して、原因治療の説明を見てみると、

疾患の完全な治癒を目指してその原因そのものを取り除こうとする治療法

とあります。簡単にいうと「治すために原因を取り除こうとする」です。具体的なことはわからないけど、意味としてはわかりやすいです。

根本治療に対置する対処療法は「治すために結果を修正する」方法となりますね。原因にアプローチするのが根本治療で、結果にアプローチするのが対処療法といってもいいと思います。

さらにWikipediaの説明を見ていくと

原因療法は根本原因を取り除き、完全な治癒を目指す。 とは言え、「原因と結果」の連鎖というのは重層的、多重的に起きているので、原因と結果は相対的なものとなる。

とあります。さて、難しくなってきました。

原因と結果は連鎖的に起きている…?重層的?多重的?相対的?

難しいですね。
事例的に具体的なことを例としてあげてみると、

右足首を捻挫をした(原因)→かばって歩いた(結果/原因)→左膝が痛くなった(結果)

こんな感じです。何かが起きると、それが原因となって別の症状を起こす。さらにそれが原因となって、また別の症状を起こす。そんな感じのことです。

本当は、これで終わりじゃないです。一番最初の、「右足首を捻挫した」の原因を探らないといけないのです。さらにいえば、右足首を捻挫した原因をつくったその原因も探さないといけないです。

なので、ちょっと難しいけど、数学っぽく表してみると、

原因n(根本?) → 原因n-1 → … → 原因2 → 原因1 → 結果

となります。なので、ここで大切なのが、根本治療とは原因nを見つけ出して治すこととなるはずです。じゃ、それをやればいいじゃんとなるんですけど、多分これは不可能に近いです。

なので、ケーセブンでは根本治療というものは事実上存在しないと考えています。

そもそも、ほとんどの人の身体には何かしらの故障の種がある

で、どうしてこれが不可能なのかというと、そもそもほとんどの人の身体には、何かしらの故障の種があるからです。

例えば、

  • 左右差がある
  • 性格で姿勢が変わることがある
  • 日常生活が影響していることがある

等などです。結局、何かしらのトラブルの原因を追いかけていくと、この辺にたどり着くことが多いです。だとすると、例えば、性格とかを治すことってできないです。

例えば、うつっぽい人がいるとして、いつもうつむいてしまって、それで肩こりが起こるとします。じゃ、うつむいている姿勢を修正するのは対症療法ですよね。

じゃ、原因としてうつを治すとする。薬でうまく治せたとします。じゃ、どうしてうつになっちゃったの?というのがうつになった原因。

それは職場でのいじめがあったからだとします。でも、同じいじめでもうつにならない人がいる。だとしたら、どうしていじめを受けただけでうつになっちゃったの?が原因。それはどうやって治すのか?

遺伝子レベルで、耐ストレス性が弱かったとする。もしかしたら、それが根本かもしれないです。でも、そんなの街の一治療院で治療できるものじゃないですよね。

なので、根本治療は不可能なんじゃないかと思うわけです。

ケーセブンの施術は、基本的には対症療法

今まで書いてきたようなことは、到底ケーセブンでは対応できません。せいぜい、原因の深追いで2段階か3段階くらいまで追うことしかできないです。

深追いだけど対症療法の事例

事例として、先日とあるテニス選手に受けた相談です。

左足の土踏まずに張りが出るのでなんとかしてくれ

これ、話を聞いてみるとサーブの時に起こるらしいです。なので、シャドウサーブというか、素振りというかしてもらいました。

すると、左脚と右腕の連動性に問題があるように見受けられました。で、テストをしてみると、右腕がちゃんと動いていません。

右腕の動きが悪い(原因2) → 左足の動きが悪くなる(原因1) → 左足の土踏まずに違和感(結果)

さらに右腕の動きの悪さを探っていくと、首回りというか顎周りの動きが悪い。と、その時いわれたのが「ちょっと前に右の歯の治療をしている」と。

これが原因とは断定ができないので、今後テストを進めていくしかないのです。が、これが原因だったとしたら、もうケーセブンでは何もできないです。治療によっておかしくなった顎周りの動きを修正することくらいしかできません。

顎の動きが悪いのを修正する

完全に対症療法ですよね。そもそも、どうして右の歯が悪くなったのかも探ってこその根本治療となるはず。なので、やっぱりそんなの不可能だと思ってしまいます。

定期的なメンテナンスが必要

もし、本当に根本的な原因が取り除けるのだとすれば、世の中の多くの人の病気や痛みはなくなることでしょう。

すくなくとも、ケーセブンではいくら原因を追究したところで、ある段階では対症療法になってしまいます。なので、再発する。

だから、アスリートの身体の調整は月に一度お願いしてます。そのくらいで、元の状態に戻ってしまいます。身体が、そこまで正確に動くことを拒んでいるかのようです。

それでも、月に一度のメンテナンスで、大きな故障はほとんどしなくなります。その辺で勘弁してもらうしかないな、と思っています。

まとめ

治療家の人の話を聞いていると、ポツポツ根本治療という言葉を聞きます。その先生方は、きっと根本治療ができる凄腕なのだと思います。残念ながら僕はそこまではできません。

ただ、たまに僕的には根本治療じゃないんじゃないかな、と思える根本治療の先生もいます。

例えば、

腰の痛みは骨盤のゆがみから来ているから、ゆがみを直しましょう。骨盤のゆがみを直すことが根本治療です。

と、いう感じの話、割と聞きます。僕的には、「骨盤のゆがみがある→それを修正」は対症療法なわけです。骨盤がゆがむ原因を探って修正しなければ、また骨盤がゆがんで結局は腰の痛み再発なわけです。

でも、その先生的には根本治療なのかな。ということは、根本治療の定義が違うんでしょう。結果の二つ前の原因を修正すれば根本治療という先生もいるようです。

それがいいとか悪いとかじゃなくて、根本治療と一言でいっても、定義が人によってまちまちです。だから根本治療を受けたいと思った患者さんがいても、その患者さんの思う根本治療の定義が明確でないと、施術側とすれ違う可能性があるな、ということです。

でもね。Wikipedia の解説が正しいとすれば、結果の原因を取り除くわけだから、再発しないはずなんですよ。同じ痛み、ちょこちょこ繰り返していたら、それ根本治療って思えない人がほとんどじゃないかな。

と、思う今日この頃です。

この記事を書いた人

Body Tuning Labo K7”代表。
人の身体、特に上昇志向の強いアスリートの動き具合を調整していくのが一番得意。
ほぼ100%の人が「自分の身体はちゃんと動いている」と思っているので、もっといい世界があることをお知らせしたい。
元コンピューターハードウェア設計エンジニア。たぶん、異色の転職組で人の身体を見ていくフローも違う。そのため、違う結果が得られるはず。
そういった世界を経験してきているので、根性と気合ですべてをこなそうとするのは苦手。

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