脱力とインナーマッスル:アスリートのパフォーマンスを高めよう!

ケーセブンで日々関わるアスリート、特に中高生の選手たちには、身体のメンテナンスが欠かせません。その中でよく話題になるのが「インナーマッスル」と「アウターマッスル」です。ただ、これらの用語が飛び交うだけで、実際に何を意味するのか、どう活用するのかが「まるでわからない」という人も多いです。

この記事では、そんなインナーマッスルとアウターマッスルが一体何なのか、どのような役割を果たしているのかを解説します。さらに、これらの筋肉をどう鍛え、どう活かすべきなのか、そして話を一歩広げて、「脱力」がなぜ重要なのかについても触れていきます。

「力を抜け!」とよく言われるけれど、その背景にはインナーマッスルとアウターマッスルの理解が必要です。特に競技で上位を目指す選手にとって、この知識は必須です。

ケーセブンでの全身調整メニューでも、この「筋肉についての理解」は大切なポイントとして取り上げています。だからこそ、この記事を通じて、ケーセブンでメンテナンスを受けている選手たちも、新たな知識や復習の材料として活用していただけたらと思います。

インナーマッスル、アウターマッスルとは何か

インナーマッスル、アウターマッスルのインナーはinnerで、アウターはouterです。inとoutですね。

inは内側、outは外側。

どういうことかというと、インナーマッスルは身体の奥深くにある筋肉です。骨の周りに絡んでいるというか。アウターマッスルは身体の外側、表面近くにある筋肉です。こういった違いで働き方や形に違いが出てきます。

では、それぞれについて解説しましょう。

インナーマッスル

インナーマッスルとはどんなものかを列挙してみます。

  • 骨に近いところにある筋肉
  • 小さくてそれほど力が出ない筋肉
  • 関節を保持する
  • 無意識的に力が入る
  • ○○筋と狙って力を入れることが難しい

インナーマッスルを鍛えるとかトレーニング方法とか興味のある方は多いようですけど、現実的にはそういうのは難しいと思います。そもそも小さくてパワーのない筋肉だし、意識を向けることが難しいものなので…。

アウターマッスル

インナーマッスルに対してアウターマッスルとはどんなものかを列挙してみます。

  • 身体の表面に近いところにある
  • 力を出す
  • 大きな力を出すため大きい筋肉が多い
  • 身体の外からでも盛り上がって見える
    • 腕に出る力こぶ
    • 割れた腹筋
    • etc
  • 意識をもって力を入れやすい

インナーマッスル/アウターマッスルまとめ

インナーマッスル/アウターマッスルという言葉の厳密な定義はないと思います。なので、人によって微妙に説明が違ったり、分類され方が違う場合もあると思います。

ただ、そこまで厳密に考える必要もなく、「こんなもんだ」っていう理解をしていただければそれで充分です。

とっても簡単にざっくりいうと、

インナーマッスルは身体の奥深くにあり、関節を固めるために力を出す
アウターマッスルは身体の表面近くにあり、力を出す

ということ。

もう少し具体的にいうと、

姿勢を作っているのは主にインナーマッスルで、運動時のパワーを出しているのは主にアウターマッスルです。

この理解はかなり大事です。

そもそもパワーのない姿勢を作るためのインナーマッスルを鍛えるとか、アウターマッスルで姿勢を作ろうとか、本来の身体に想定される役割と違う役割を無理強いさせることがあります。現場では理屈よりも経験になりがちなのは理解できます。でも、個人的にはちょっと違う気がしています。

「力を抜け!」脱力の真意:インナーマッスルとアウターマッスルの役割

さて、ここで「脱力」について深掘りしていきましょう。

以前、僕も「脱力って一体何?」と疑問に思っていました。よく「力を抜け!」と指導されるけれど、本当に力を抜いたら、立っていることすらできないんじゃないかと。そんな疑問を抱いていました。

Youtubeで様々な競技の映像を研究していると、「力を抜け!」という言葉はよく聞かれます。しかし、その具体的な意味について説明しているものは少ないですよね。一部の先生方は「脱力」と「リラックス」を区別して使っていますが、それだけでは僕も納得できませんでした。

ここで重要なのが、この「脱力」の疑問に答える鍵が「インナーマッスル」と「アウターマッスル」にあるという点です。

一般的に「力を抜け」とか「脱力しろ」と指導されるとき、実はその対象はアウターマッスルなんです。つまり、「力を抜け!」という指示は、インナーマッスルには力を保持しつつ、アウターマッスルの力を抜く、という意味になるわけです。

アウターマッスルを脱力するのは難しい?

インナーマッスルとアウターマッスルの項でも書きましたが、インナーマッスルを意識的に動かすことは難しいです。逆にアウターマッスルを意識して力を入れることは簡単です。

ところが、アウターマッスルの脱力が難しい人がいます。というのも、意識だけでコントロールできるものではなく、メンタルの影響を受けるからです。

多くの人が経験したことがあると思いますが、例えば歯医者さんに行って治療を受ける時にいつのまにか身体中に力が入っていることってありませんか。あと、大勢の前で何か発表しようと思うと緊張して力が入ってしまうこととか。

つまりは、アウターマッスルは自分の意識だけでコントロールできずにいつのまにか力が入ってしまうことがあります。

人によって多少違いますが、特別な緊張などがなくても、なんとなくいつも身体中に力が入っている方っていらっしゃいます。

いつのまにか身体に力が入ってしまうのは、ある程度の時間をかけて練習で改善していくことはできます。簡単なことではなく、数ヶ月単位でかかる場合が多いです。

それだけ自分の身体のコントロールって難しいんですね。

まとめ

この記事を通じて、インナーマッスルとアウターマッスルの違い、そして「脱力」の真意について理解を深めていただけたでしょうか。

特に注目したいのは、インナーマッスルがパワーを出す筋肉ではないという点です。多くの人が「インナーマッスルを鍛える」といいますが、実はその概念は少し違います。インナーマッスルは、鍛えるというよりは「使えるように練習する」ものです。この点を理解している人は意外と少ないように感じます。

脱力も同様に、アウターマッスルの力を抜くことで、インナーマッスルが効果的に働くようになります。このバランスを理解し、適切な「鍛え方」を探求することが、アスリートにとっては非常に重要です。

最後に、ケーセブンでの全身調整メニューでも、このような「筋肉についての理解」は大切にしています。ぜひ、この知識を活用して、より高いパフォーマンスを目指してください。

何かしらの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

Body Tuning Labo K7”代表の走尾(はしお)です。
人の身体、特に上昇志向の強いアスリートの動き具合を調整していくのが一番得意。
ほぼ100%の人が「自分の身体はちゃんと動いている」と思っているので、もっといい世界があることをお知らせしたい。
元コンピューターハードウェア設計エンジニア。たぶん、異色の転職組で人の身体への接し方が違います。それが結果の違いも生みます。

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