パフォーマンス向上の新たなカギは「言語化」にあった。GoogleのAIと開発したアスリート専用プログラムの話

日々、仕事としてアスリートのボディメンテナンスを行っています。

仕事は、アスリートが安全に能力を向上させられるように、身体をより運動に適した状態にしておくことです。さらには競技特性に合った状態に調整することでもあります。

簡単にまとめてみると、

  • 身体のパフォーマンスの向上
  • 身体各部のチェックと修正
  • 怪我の予防

というあたりになると思います。

AIで勝つ

選手に不足しがちな大切なこと

個人的に一番の目的はパフォーマンスの向上です。そのためにとても大切なことがあって、それは選手に自分の身体のことや考えをきちんと伝えてもらうことです。

選手からもらえる情報が詳細なものであればあるほど、それに合わせた身体を作ることができます。

例えば、ただ「足が痛いんです」と言われるよりも、「走っていて左ターンをすると、足首のどこどこに痛みが出ます」と伝えてくれた方が、より精度の高い施術が提供できるわけです。

ところが、かなり多くのアスリートがこういった自分のことを言語化する能力が不足しています。

もっと細かい情報をくれと頼んでも、痛い場所をなんとなく手全体で指し示したり、動きに関する質問をすると顔にはてなマークが浮いたりします。

これだと精度の高い施術が難しいです。

先日も、あるアスリートの身体のメンテナンスをしていた時の話です。彼は密集したエリアで細かく動くタイプの選手です。なので「それをもっと速く、精度高くするにはどうしたらいいと思うか? 身体のどこを、何をどう調整したらいいか?」という質問を投げかけたところ、やはりはてなマークになってしまいました。

彼曰く「今までそういう質問を受けたことがない」とのこと。確かに、考えていることを言語化する技術は学校で習うわけでもないし、実践で繰り返していない限り上達しないもんな、と思ったわけです。

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言語化能力向上をAIでサポートする

ということで、アスリート向けのAIを使った言語化能力強化プログラムというのを作成しました。

日々の練習の後にでも、練習の時に感じたことを投げかけてもらうと、それをAIが深掘りします。AIとの会話なので言語化は必須です。このプログラムでは、AIがアスリートの思考を言語化するように話を進めます。気楽に話していただければ、だんだんと能力が上がる仕組みになっています。

とはいえ、まだリリースしたばかりで実績も何もないので、うまくいくかは分かりません。が、何もやらなければ何も変わらないので、まずはケーセブンでメンテナンスを受けている選手たちに配布を始めました。

言語化能力向上AIとはどんなプログラムなのか

少しどんなものかを紹介すると、AIにはGoogleのGeminiを使います。

今はいくつかの有名どころのAIがあります。ただ、実際に使おうと思った時に、そこそこの量を無料で使おうと思うと、GeminiとChatGPTのほぼ二択になります。

個人的には、普段GoogleのAIを使っているのでGoogle AIで開発を始めました。ただちょっと問題が発生して、MicrosoftのCopilotでも開発してみました。が、利用制限が壁になって断念。で、Geminiで作り上げました。

使い方的には簡単で、Geminiにこちらから提供するプロンプトを投げ込んでいただきます。

まずは「今日の練習や試合などで思いついたことを話してください」みたいな感じで会話スタートです。そこであなたが何かしらを書き込むと、それがテーマとなり会話が進んでいくことになります。AIが少しずつ深掘りした内容を聞くので、言語化して答えてもらいます。

AIとの会話

これを毎日続けていくと、AIの中にあなたとの会話データが溜まっていきます。たまに「私は成長してる?」という質問を投げかけると、AIが過去の会話をもとに、選手の成長や変化をフィードバックしてくれるようになっています。

人間よりもAIを使うメリット

AIと会話をするメリットというのがあって、人間のコーチだったら叱られたりするようなことも、AIだったらありません。また、「恥ずかしい」とか「こんなこと聞いちゃいけない」と思うようなことでも、聞いてOKです。

みんなが知っていそうなことを今さら聞くのができないっていう人は、結構多いと思います。その心配はいらなくなりますね。

あと、AIは最新の研究や知識にもアクセスできるため、幅広い視点からアドバイスが可能です。そのため人間のコーチよりも、まず間違いなく知っていることが多いです。もちろん、コーチご自身の体験談はそこにしかなくて、かつとても有益な情報でネット上にはありません。が、それに加えて世界の最新情報があれば、もっといいですよね。

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今までにケーセブンでメンテをしている選手に「AIを使うといいよ」という紹介をしたことがあります。今回のプロンプトはその時点ではできていなかったので、ただ利用を促すだけの紹介でした。それでも今では、たくさんAIに相談するようになったとのことです。1つの端末で幅広い知識が得られるわけです。休み方や食事の取り方なども提案してくれるので、人間の指導者よりも幅広い相談ができ、しかも怒られないというメリットがあります。

ということで、ケーセブンでメンテを受けている選手たちにはこのプログラムを配布していきます。たくさん使っていただいて、問題点があれば報告してもらい、より効果的なものにしていきたいと思います。

もごすごく興味を持ってもらって、どうしても欲しいという方はnoteで紹介しています。有料(500円)とはなりますがご興味あればぜひ。

アスリートのためのAIを使った言語化強化プログラム(プロンプト)|はしおじゅん
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言語化能力を上げたその先にあるもの

言語化が上手になると、自分の考えを周りの多くの人に伝えやすくなります。また、自分自身が論理的に考える機会が増えるので、自分自身の次の一手を考える能力も上がると思います。

こういったトレーニングをしたマイナス面はあまり思いつかないので、試したい方はぜひアクセスしてみてください。現状では、ケーセブンでメンテナンスを受けている方限定で配布しています。

こういった新しい取り組みは楽しいし、何かワクワクしますね。

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この記事を書いた人

Body Tuning Labo K7”代表の走尾(はしお)です。
人の身体、特に上昇志向の強いアスリートの動き具合を調整していくのが一番得意。
ほぼ100%の人が「自分の身体はちゃんと動いている」と思っているので、もっといい世界があることをお知らせしたい。
元コンピューターハードウェア設計エンジニア。たぶん、異色の転職組で人の身体への接し方が違います。それが結果の違いも生みます。

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