攣り防止で筋弛緩作用のある物を飲むって…、どうなの?

スポーツ選手のメンテナンス業界に入って20年以上たちます。いろんなことに驚かされるし、そりゃまずいでしょって思うこともちょくちょくあります。

今回は、そんな話の一つをしてみようと思います。

攣り防止で筋弛緩作用のある物を飲むって…

スポーツ中に足が攣るって嫌だし困りますよね。もちろん、スポーツ中じゃなくても嫌ですけど、スポーツ中は絶対に嫌ですよね。

だからだと思うのですが、とある漢方薬を飲むっていう話を過去にランナー業界とテニス業界で聞いたことがあります。

攣る(つる)のを防ぐために漢方薬を飲む、といえばピンときた人もたくさんいるはず。で、これ多分筋弛緩作用があります。筋肉を緩めるんですね。

確かに、攣った時には比較的即効性があるらしいです。数分で効くと。

でも、個人的には競技の時に使うのは反対です。僕がサポートに入ったら、飲むのは否定です。どうしてもっていわれたら好きにすればいいと思いますが、基本的には否定です。

だって、競技だから他人と競わなきゃいけないわけで、そんなときに筋肉に力が入りにくくするものを飲むっておかしいと思うから。それに、個人的にはもっと瞬間的・効果的に痙攣予防する手段があるからです。

できることはなんでもやろう、けど無条件じゃない

競技って、読んで字のごとく、技を競うもの。だから相手がいます。相手がいるだけに、参加する以上負けたくないって思うのは普通。

だから、多くの人の眼の色が変わるのも理解はできます。

負けたくないとなれば、強く・上手くならなきゃいけないです。そのために、できることはとにかく試してやって欲しいとよく思います。

仕事で身体のメンテナンスをしている立場からいえば、身体のメンテは最低限してほしいと思います。が、しない人の方が多いですよね。

でもね、薬は飲んじゃうんですよ。この場合、できることは何でもやって欲しいではあるんだけど、「ある程度はその仕組みを理解してから」という条件が付きます。だって、危険な場合もあるから。

今日聞いた話。とある競技の指導者講習会で、講師の先生が受講生の指導者たちに話したこと。

ツムラ 芍薬甘草湯(68)は漢方薬だからいくら飲んでもいい

えっ、いくら飲んでもいい!?

それを聞いた人も驚いたということですが、さらにまた聞きした僕も驚きました。でもこれ、冒頭にもにおわせましたが、マラソン業界でもテニス業界でも使うと聞いたことがありました。なんでそんなことするんだろう…。

参考までにお医者様が痙攣(攣る)したときに飲むんでもいいよ、という記事がありましたのでリンクを紹介しておきます。が、競技時について言及していないところと、摂取量について言及しているところに注意が必要です。

また、「予防として使え」ともいっていないです。「起きたときのために持っていてもいいよね」とはいっていますけど。

こむら返りに、漢方薬の芍薬甘草湯?って大丈夫? | 町田市医師会
身近な医療情報こむら返りに、漢方薬の芍薬甘草湯?って大丈夫? 結論から言いますと、問題ありません、正解です。足のこむら返りや、手指の攣(つ)った状態に芍薬甘草湯は短時間で効果を発揮します。なんと効果発現時間で平均6分と言われています。西洋薬...

ドーピングにも気をつけましょう

たぶん、ドーピング問題が生じるようなレベルの選手だとこういうことはしていないと思います。トレーナーさんなりドクターなりも控えていたりするはずなので、たぶんしないと。

でも、指導者講習会で指導する講師の方もいるくらいだから…。

で、このツムラの芍薬甘草湯は、ドーピングについて今現在調べるとOKなようです。たぶん、ずーっとOKな気はします。が、年によって基準が変わることが普通なので、もしドーピングに影響するような選手が使ってみたいということであれば、気にした方がいいです。

それでも攣り策したい場合にはどうする?

うちにサポート依頼をしてください!

その場でキネシオテープを使う

というのは置いておいて、いまケーセブンだったらどうするかというと、キネシオテーピングを使います。これはうちならそうするというだけの話で、別のやり方もたくさんあると思います。

で、僕がキネシオテーピングを使うそのやり方…、以前記事を書いたことがあるので、参照してみてください。ちなみに、ふくらはぎが攣る場合に、ふくらはぎには貼りません。それ素人です。

【キネシオテーピング】ふくらはぎが攣りそうなときに瞬間的に予防するキネシオテープの貼り方 | キネシオテーピング初心者のための情報館
ふくらはぎが攣(つ)る人って、たくさんいます。こむら返りともいいますね。 スポーツ選手が運動中に攣る場合もあるし、少々年齢が高くなった方が寝ている間に攣って目が覚めてしまうというのもよく聞く話です。 攣る原因ってたくさんあって、簡単に特定す

ぶっちゃけ、これかなり効きます。攣りそうだなって気配が出たときにこれを貼ると、貼った瞬間にそれはなくなります。

あと、よく攣っちゃうという人は予防的に貼っておくのもありです。副作用で怖いことになるというのはないので、どんどん試してみてください。

マグネシウム摂取をする

あと、頻繁に攣る人はマグネシウム不足の場合があるようです。

厚生労働省によれば、日本人のマグネシウム摂取量はたいてい不足しているようです。なので、マグネシウムを普段より多めにとってみましょう。漢方薬をとっていた方たちにとっては、同じように服用すればいいので簡単です。マグネシウムのサプリメントを使ってみてください。

これも高い確率でマグネシウム不足が原因で起きているので、当たる(効果の出る)可能性は高いです。

まとめ

いままでに競技スポーツに参加している人たちをたくさん見てきました。

「試合に勝ちたい!」「いい記録を出したい!」っていう気持ちはとってもわかります。ただ、その方向性が少しずれていることが多くて、もう少し一つひとつの理解度を上げた方がいいですよ、とも思います。

害のないことだったらいいです。どんどんやってください。何か発見があるかもしれないです。でも、害のありそうなことはやらない方がいいです。

今回の件も、お医者さんが量には気を付けろといっているわけで、これはマル秘情報ではなく公開情報です。誰でも入手できる情報です。

なので、なにかしら良さげな情報が入ってきたら、まずはいったん取り込んで理解度を上げておく。そして、効果がありそうと思えたらやる。そういう間にワンクッションを入れてほしいです。

世の中には、「考える前に動け」という主張もあります。が、それは時と場合によりけりです。なんでもかんでもじゃないです。

特に、強くなりたいのであれば、たくさんの情報から取捨選択しないといけなくなる時が必ず来ます。なので、情報の理解度を上げて、優先順位をつけることも強い選手になる条件の一つになってきます。

ただ頑張るだけの選手では強くなれない時代です。

という感じで、自分の能力・成績向上に安全に励んでいただくことのお役に立てたら幸いです。

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この記事を書いた人

Body Tuning Labo K7”代表の走尾(はしお)です。
人の身体、特に上昇志向の強いアスリートの動き具合を調整していくのが一番得意。
ほぼ100%の人が「自分の身体はちゃんと動いている」と思っているので、もっといい世界があることをお知らせしたい。
元コンピューターハードウェア設計エンジニア。たぶん、異色の転職組で人の身体への接し方が違います。それが結果の違いも生みます。

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